新型サーバイバスリングの装着方法
新型サーバイバスリングの装着方法
スリングの装着方法は、陸上及び水上ともに基本動作は同じですが、水上の場合はおおむね遭難者が救命胴衣を着用して浮遊した状態での動作ですので、スリングと遭難者との位置関係に注意して下さい。
注意
可能な限り救助者が降下し、遭難者のスリング装着を補助して下さい。
遭難者が体力を消耗しているとき、救助者が補助しないと、スリングの装着ができない恐れがあります。
1.ホイストケーブルと遭難者の中間にスリングをおいて遭難者をスリングに接近させます。
2.スリングの輪の中に下側から片方の腕を入れます。(写真-1)
このとき、反射テープが装着時に上側になるように、スリングへの進入方向に注意して下さい。
警告
水上で使用する場合、遭難者が救命胴衣を着用しているときは、両方の腕を一度にスリングの輪の中に入れないようにさせて下さい。
両方の腕を一度に入れると、自分の体と救命胴衣とにより、身動きが取れなくなり、スリング装着ができなくなる恐れがあります。
3.スリングの輪の中に頭と肩を通して背中にしっかりとスリングを回させます。(写真-2)
注意
水上で、遭難者が救命胴衣を着用している場合は、スリングの輪の中に片方の腕を入れる際、他方の腕で救命胴衣を押さえさせて下さい。
救命胴衣がスリング装着の妨げとなり、装着ができない恐れがあります。
4.他方の腕を入れ、スリングを肩から背中に回し、スリング本体をしっかり抱えさせて下さい。(写真-3)
5.スリングに体を密着させ、背中と脇の下にかかっていることを確認して下さい。
6.スリング内面に固定されている縛着帯のカラビナとD型環を取り外し、縛着帯 にねじれがないことを確認して、カラビナをD型環にかけて下さい。
カラビナにはロック機構が付いています。
カラビナをD型環にかけた後は、必ずロックさせて下さい。
7.カラビナが付いているほうのベルトの端末を外側へ引っ張り、縛着帯をしっかりと腹部で締めて下さい。(写真-4)
警告
縛着帯は腹部に密着するようにしっかりと締め付けて下さい。
腹部以外の部位(胸部等)に装着したり、締め付けが緩いと遭難者がスリングから抜け落ちる原因となります。
8.ホイストケーブルとフックが前面にあることを確認し、頭を上方へ向けたままで両腕をスリングの前でしっかり組み、スリングを抱いているのを確認して、引き揚げて下さい。
9.ホイストケーブルが巻き上げられるに従い、体の重みが背中にかかるように両肘を下げ、脇を締めてスリングをさらにしっかり抱えるように指示して下さい。
引き揚げられているときの姿勢を(写真-5)に示しました。 悪い例(写真-6)で示した姿勢で引き揚げを行なうと引き揚げ途中で遭難者がスリングから抜け落ちる危険性があります。
背中に体重がかかるように両肘を下げ脇を締める。
脇に体重がかかってしまっている。
肘が上がっている。
両腕が前で組めない。
警告
引き揚げ途中で遭難者がスリングから抜け落ちそうになった場合は、一旦降ろして、縛着帯の緩みを確認して下さい。
そのまま引き揚げると、遭難者がスリングから抜け落ちる原因となります。
10.スリングが水面まで完全に降りないで、水面上にぶら下っているときは、写真-7のようにスリングに入り込んでから、スリングが脇の下を通るように背中を反転させ、スリングが胸にかからないように装着させて下さい。この後、縛着帯をしっかりと腹部で締め付けて下さい。
写真-7 反転までの姿勢
警告
遭難者に意識がないか、または、遭難者が自力でスリングを装着できないほど衰弱している場合は、必ず救助者が降下し、救助者がスリングを正しく装着させて下さい。
引き揚げる際も必ず救助者が補助しながら機内まで引き揚げて下さい。
遭難者に意識がないか、あるいは非常に衰弱している場合は、遭難者がスリングをしっかりと抱えることができないため、スリングから抜け落ちる危険性があります。
図-1に示すように、スリング本体を遭難者に抱えさせないで、縛着帯だけで遭難者の腹部を締め付けての救助は行なわないで下さい。
縛着帯だけを遭難者の腹部で締め付けて引き揚げを行なうと、ホイストケーブルが巻き上げられるに従い、遭難者の体重が縛着帯付近の腹部に集中し、かなりの圧迫となり、遭難者が受傷する恐れがあります。
スリングを正しく遭難者へ装着させて下さい。